2011.9.14

 

五美術大学交流展とは? 

――本日はお忙しい中お時間を頂いてありがとうございます。早速ですが、まずは簡単に五美展についての説明をお願いします。    

富谷:はい。多摩術大学、東京造形大学、女子美術大学、日本大学芸術学部、武蔵野美術大学の五つの大学の学生有志で動いて、互いに交流を深め合いながら展示をしていこうという企画です。

五美展の起こりは、その当時、他大学との交流があまり盛んでなかったというのが元になっています。まあ大分昔の話なんですけども。一つの大学内で収まることなく、他の大学の学生達と互いに刺激を与え合いながら制作するべきなんじゃないかということで、大きな合同展示をしようと動き出したのが最初です。 

 

――今年のテーマについてお願いします。

富谷:今年は「本気」というテーマで制作してもらっています。5つの美大が集まって展示をするわけじゃないですか。大人数で集まって一つのことをするということで、高校の文化祭のように皆で本気で取り組んで、楽しく展示しようというところから今年のテーマは「本気」としました。

 

――例年通り今年も多くの作品が出展されると思いますが、やはり多彩なジャンルの作品が見られるんでしょうか?

富谷:そうですね、大体ですが今年は80作品程出展する予定です。 基本的にはノンジャンルというか、何でもありなんですけど、今年は日本画とか油画といった平面作品が多いですね。

基本的には運営側から作品に対しての口出しはしたくないなと思っているので、あくまで作者の思うまま自由に製作してもらうということを念頭においてやってます。

 

 

五美展ならではの魅力について 

――五美術大学交流展ということで、設立の大元でもある「交流」についてはどのような活動をされているんでしょうか?  

富谷:そうですね、まずは他大学の生徒同士で協力して運営すること自体が交流といえると思います。

やはり最終的な展示の場所がムサビなだけあって、ムサビの学生が主体で動いてると思われがちですが、各大学がそれぞれ呼びかけを行っているという形で動いています。なので準備も皆で協力してやっていますし、去年の代表は多摩美の方だったんですよ。

それから展示以外に交流のイベントを行うようにもなりました。例えば皆で動物園に行ってクロッキー大会をしたりだとか。 やっぱりどうしても展示だけだと公募展のように、ただそれだけの集まりになりがちなので、ちゃんと学生同士が交流できる機会を設けて、互いに刺激を与え合うことにも力を入れています。

富谷さん写真  

――どういう点に注目して見てもらいたいですか?  

富谷:5美大の現役学生の展示が割と大きな会場で見られる機会というのは、実はうちくらいしかないんですね。だから、僕の受験生時代の話なんですが、なんとなくどこの大学がどういうことをやってるのかを最初に知ったのがこの五美展なんですよ。なので美大に入る前から五美展の存在は知ってました。

もともとの設立目的とは違うんですが、割とどこの大学がどういうものを作っているのかというのが一目でわかる場としての側面も持っていると思いますね。そういう意味でもあまり作品についての制約は設けない方が良いと思ってます。

 

 

 

――なるほど、確かに受験生にとっては大学選びの参考になりますね。

富谷:それぞれの大学でやっている卒展だとか、国立新美術館でやってる東京五美術大学連合の卒業展もありますけど、そっちだと学生さんが卒業する時の作品じゃないですか。だから学生が在学中にどんなものを作ってるのかっていうのは、予備校とかに通っててもなかなか分からないものだと思うんです。

 

――大学のアピールの場であるという側面を考えると、学校側との連携はされているんでしょうか?

富谷:そうですね、大学側もオープンキャンパスや地方で説明会を開いたりと活動している中で、生徒達の目線でアピールするということに意味があるのかもしれません。大学側とは展示のためのスペースを借りること以外では特に連携も取ってませんし、運営費も参加費から捻出したり、広報活動も独自に行ってます。

 

 

富谷さんご本人について    

――学科と専攻をお願いします。  

富谷:現在は映像科2年で、3年次からは写真を専攻する予定です。  

 

――なるほど、やはり小さな頃から写真に興味があったんでしょうか?     

富谷:そうですね、小学生くらいから一応写真は撮ってました。もちろんぜんぜん大した事ない安いカメラでポチポチ撮ってたくらいですけどね。あとは自由帳に絵ばっか描いてましたね。昔から何かを作ることは好きだったと思います。あと電車が好きなので中学生の頃はよく写真に撮ってました。

本当に作品として写真を撮りたいと思うようになったのは高校3年生くらいですかね。高校生の時は写真部に入っていて、文化祭で展示したのが始めて公の場での発表でした。  

 

作品

――一口に写真といっても、その中でもまたいろいろと表現の方法があると思うのですが、どういう写真を撮られているんでしょうか?  

富谷:最近は夜ばかり撮ってますね。単純に夜が好きだというのもあるんですけど、光の加減がわざとらしいところに惹かれますね。夜の明かりというのは街灯だったり、家の窓から漏れた光だったり人工の物ばかりで、そういった条件下で撮ると一昔前の3Dのポリゴンっぽく映るんですよ。特に雨が降った後のアスファルトなんか面白いですね。表面の質感も光の辺り具合で見え方も変わってくるんで、テクスチャやパターンとしてみた写真も好きです。

あとは最近言われて気付いたんですけど、人気(ひとけ)の無い写真ばかり撮ってます。人間臭くない写真っていうんですか、機械だけとか物だけ映ってる写真が良いですね。正確にはその場の空気感とか物の様子とかを追ってる感じですね。僕自身も写真を出展するので、おそらくこういった作品になると思います。

      

 

最後に五美展の代表としての意気込みをどうぞ。  

富谷:んー、そうですね。例えば写真って誰でも簡単に撮れちゃうじゃないですか。シャッター押すだけで簡単に。それで、写真の善し悪しっていうのは撮った後に決まるんと思うんですね。つまり、何枚も何枚も撮ってその中から選ぶ作業っていうのが大事なんです。そうして選び抜いたものを人に見せることで、始めてその写真が作品になると思ってます。

これは他の作品でも言えることですが、やはり作っただけでは作品とは呼べないんじゃないかなって思いますね。インターネットが発達して、作品がものすごい早さで飛び交ってる中で、そうした流れに沿って僕もネット上に自分の写真をアップロードしているんですが、今回の五美展も発表の場という意味では同じですよね。見る人がいて始めて作品として成り立つと考えています。なので自分たちで発表の場を設けるということも、作品作りの一環と捉えているのでやりがいがあります。   

今後も芸術祭での展示に留まらず、外部での展示も積極的に行って卒業後も深く関わって行ける様な企画にしていきたいですね。あとは去年だと芸術祭期間中に、外部で展示をやらないかと声をかけられたこともあったので、そういう意味ではステップアップするための足がかりとしても皆さんに活用して頂けたら嬉しいです。